
海外で子育てをしていると、ふとした瞬間に孤独を感じることがあるのはなぜなんだろう….
- 子どもは海外に馴染み、自分がこんなにも苦労している現地語をペラペラ話せるようになっている
- 頼りにしていた夫とは距離を感じる
- 日本のことを思い出すのは私だけ?



わたしも、移住して2年は不安で寂しい孤独な気持ちでいっぱいでした
しかし、ホームシックを和らげるために日本らしさを生活に取り入れたり、自分や夫に焦点を当てることで不安を減らすことができています。
簡単なことではありません。気持ちを切り替えていく時間も必要でした。
本当の気持ちが誰にも言えない。気持ちをぶつけられる夫には伝わらない。
1人で車を運転しながら大泣きしたこともあります。(高速道路はまあまあ危ない
)この記事では私のたどった海外子育ての影と、孤独から抜け出せた方法をお伝えします。
1人の事例としてあなたの参考にしていただければ幸いです。
海外子育てで孤独を感じるワケとは?


海外子育てで孤独を感じるワケとして、精神的な側面が関係していました。
わたしが孤独だと感じたときは、わたしだけがこんな思いをしているという不安感です。
自分の子どもも含め、周りはみんな幸せそうに海外生活を楽しんでいる。
馴染めていないのはわたしだけ….
ではどんなことで不安だったのかを振り返ってみましょう。
異文化への対応ストレス
日本とは違う文化に対応しきれずストレスになっていました。
1番は言葉の問題です。
わたし自身、英語がヘタだったのと、当時5歳直前の上の子は日本語しか話せなかったため、子どもが現地語ができず、母親の自分が子どもの迷惑にならないか心配でした。
しかし、実際には子どもは移住して1ヶ月後には英語が日本語と同じくらい話せるようになっていたのと、問題なく幼稚園に通っていたのです。
実は、これがわたしを孤独に感じさせる1要因でもありました。
心配をよそに、子どもはみるみる新しい環境に馴染んでいったこと。
そんな子どもを見て「子どもはすごい」と思う反面、子どもに置いて行かれた気分になり孤独を感じてしまいました。
さらに、追い討ちをかけて自分自身は英語にも新しい文化にも苦戦して馴染めないでいる。
一緒に暮らしているけれど、子どもが自分の子どもではないような気がして心だけ取り残されたようにに感じてしまったのです。
もう1つ、子どもがこちらの文化や生活に馴染めば馴染むほど、自分は子どもに日本語や日本の文化を伝えていけるのか不安になりました。
自分次第で、子どもたちは日本のことを忘れてしまうと思うと、押しつぶされそうな気持ちです。
異文化を受け入れつつ、日本のことも教えなければならない状況が孤独になっていきました。
ホームシック
なんでも日本と比べて、日本を恋しがっていました。
「絶対に日本の方が〇〇」と、オーストラリアに馴染めない理由を日本と比べて証明していたようなものです。
- オーストラリアより日本のほうが便利
- オーストラリアより日本のほうが丁寧
- オーストラリアより日本のほうがいい
気持ちに合わせるように日本を美化してしまい、オーストラリアのいいところなんて1つも見えていませんでした。
さらには、相談できる人もいなかった。
現地の友達はだんだんできたものの、本当の気持ちを心から相談することは難しかったです。
日本にいる両親含めた家族に心配かけたくないという思いが強くて絶対に「寂しい」なんて口にしませんでした。
泣きじゃくったところで状況は変わりません。
それがわかっていたので、日本が恋しく孤独を感じていました。
パートナーや義家族との関係
移住して、夫とわたし、義家族と私たちの距離感が変わったことで孤独になっていきました。
移住したばかりのころは、唯一頼れるのが夫です。
しかも、我が家の場合は夫が日本語を話せること、オーストラリアは夫の国であることから、何においても夫に丸投げしていました。
日に日に夫がいなければ何もできずにこの国で生きていけないのではないかと、悪い方向で勘違いをし始めます。
もちろんそんなことはないのですが、夫に付き添ってもらえなければ病院も歯医者も無理、子どもの学校のことも夫に頼るため、1人では何もできない不安がつのりました。
また、日本にいたときは、物理的に遠かった義家族が、急に近距離になり受け入れるのが難しかったです。
すでに結婚して10年近く経ち、子育てもだいぶ始まっていて私たちの生活スタイルが出来上がっていたことも受け入れられない理由でした。
一言で言うなら、「日本流」だったものを「オーストラリア流」の流派に変えるようなもの。
対立がとにかく絶えない。
夫も含めた「オーストラリア流」に対してわたしだけ所属の日本流なので、考え方の違いがあり、家族の中で孤独になってしまいました。
あの状況が続いていて、自分の環境も変わっていなかったら孤独感が他の問題を引き起こす可能性もあったかもしれません。



海外子育てで孤独になってしまったワケを大きな枠で3つ振り返りました。
この3つは、海外で子育てをしていたらどこかしらで感じる不安だと思います。
では、ここからどんな方法で孤独や不安感から抜け出していったのか、具体的にお伝えしていきますね。
海外子育ての孤独から抜け出す3つの方法


1.「日本」を取り入れる
日本を感じたり、思い出したりできることを生活に取り入れることです。
例えば、ホームシックになっていて日本を恋しく思っていても、すぐに日本に帰ることはできないですよね。
予定もあるし、子どももいる、そもそもチケット代が高すぎる上に、勢いで飛行機に飛び乗ったとしても孤独は解消される保証はありません。
ただその場を離れただけにすぎないのです。
実は、オーストラリアにいても日本を感じられれば孤独感は和らいでいきます。
今の時代、NetflixやYoutubeで日本に触れることはできますが、「日本にいるみたい!」とテンションが上がったのが、日本のテレビをVPNで見れるようになったことでした。
リアルタイムで日本のテレビが流れることで安心感に包まれたことを覚えています。
特に見たい番組があったわけではありませんでしたが、コマーシャルもリアルでオーストラリアにいることを忘れるほどでした。
ただ、グルメ情報など、食べ物にまつわるもは、どう足掻いてもすぐに食べられないので、余計に日本が恋しくなると言うデメリットはあります。
それでも孤独な気持ちは一気に吹き飛びます。
また、日本のテレビを使って、子どもを日本のものに引き込むことにも成功しました。
上の子は、日本のテレビが見れるようになる前からわたしよりもよく日本のアニメのことを知っています。
YouTubeやコンピューターゲームで日本のアニメや、アニメに使われている音楽に触れる機会が多いからでした。
想像以上に日本のアニメは世界中に浸透しているのだと実感させられるくらい、流行りのものは全世界で発信されているようです。
そこで子どもと日本のアニメで共通の話題ができました。
子どもに教えてもらってものを一緒に見たり、今後アニメ化される予定のことや映画化など意見を言い合ったりできます。
子どもと共通の日本に関係する話題があることで、とても嬉しい気持ちになり孤独感はかき消されました。
アニメを見るからといって子どもの日本語がみるみる上達していくわけではありませんが、
一緒に見ていると、わからない言葉を聞いてきたり、わたしが質問したりして、少なからず日本語に触れることもできています。
そのほかにも、住んでいる地域には子ども中心の日本人コミュニティーがいくつかあったので、
そこに通うことで日本語で話せるママ友ができたことも大きかったです。
子ども自身も日本人の友達ができることで、ママも子どもも日本語で過ごせる場が憩いのばとなりました。
子どもが未就学のときに入っていたコミュニティーですが、子どもたちが大きくなった今でも気が合う友達はいまだに繋がりがあるので、ありがたい限りです。
日本を感じられることで、異国に1人孤独という寂しさはなくなりました。
遠くの親戚より近くの他人という言葉が海外ではしみじみと感じるくらい、親戚よりも近い存在の日本人もいます。
まるで家族のような関係になることで、孤独感は消えていくのでしょう。
2.パートナーとの関係を見直す
孤独だと思っているときは、パートナーとも距離を感じていることでしょう。
たった1人パートナーが寄り添っていてくれれば、孤独には感じないからです。
わたしは、オーストラリアにきた途端に、パートナーの行動で距離を感じるようになったことがあります。
夫が英語を話すようになったことです。
夫は、オーストラリア人ですが、日本に10年近く住んでいたので日本語がペラペラ、家でも会社でも日本語を使っていたので、きちんと夫が英語を話すところをほとんど知りませんでした。
そのため、英語を話す夫はまるで別人のようで、尚更孤独に追いやられる気分になります。
日本語で話してくれていた夫もこの国にはいない。
家でも英語だらけでますます孤独を感じていました。
しかし、冷静に考えれば、自分の国へ戻ってきた夫が英語を話すのはいたって普通なのです。
今まで子どもに日本語しか話さなかった夫より、英語で子どもに話しかける方が子どものためにもいいに決まっていました。
そうとわかっても、現実が苦しくて仕方なかったです。
ただ、夫が日本語を話し続けるのには限界があります。
日本に住んでいて、わたしがずっと英語で話すような物ですからね。
もちろん無理をして日本語を話して欲しいとは思いませんが、夫も日本語を忘れたくないと思ったので、わたしも無理をして夫に英語を使わないようにしています。
夫もつられて日本語になることが増えました。
ケンカのときはお互い母語になりますが。
夫との距離に関しては、また別の記事でお話ししますが、孤独を抜け出す身近な方法として、
あなたたちにあった夫婦の距離やあり方を見直すことだと思います。
3.自分に焦点を当てる
自分がやりたいことをやってみることです。
やりたいことがないのであれば、なにがやりたいかまずは探してみてもいいですね。
- 新しい趣味を作る
- 仕事を始める
- 現地語を学ぶ
- ボランティアに参加する
実際にわたしはこれらをすべてをやってみました。
趣味という趣味を持ってこなかった人生ですが、オーストラリアで和太鼓を始め、趣味を通してママ友とも職場とも違う新しいコミュニティーができ、孤独だと俯くことがなくなったのです。
子どもができてから初めて仕事をしてみました。孤独ではなく独立した気分を味わっています。
また、現地の学校にも通い始めました。移住して7年目です。
子どもの学校のボランティアにも初参加しました。ボランティアのチャンスはたくさんあっても踏み出せないままだったために、孤独感を増やしていたかもしれません。
それは、ボランティアを通して周りとの関わりが増えて気づいたことでした。
子育てをしていると、やはり子どもが中心になってしまいますよね。
わたしの場合は、それでも子ども中心が幸せだと感じていて、自分のために何かをしたいとも思いませんでした。
しかし、子どもが大きくなるにつれて、言語もそうですが、なんだか自分だけ取り残されてしまい、孤独だと感じていたのでしょう。
自分の将来を考えたり、それに向けて動くことで、今を孤独だと感じなくなったのです。
やりたいことに向かっているのであれば孤独ではなくなります。
それは幾つになっても、ママになっても変わらないので、ぜひ自分に焦点を当てた人生を考えてみてくださいね。
まとめ


海外での子育ては孤独を感じやすいです。
それは異文化を受け入れられずいいたり、そんな自分とは反対に子どもはみるみる馴染んでいくことで取り残された気分になるからでした。
さらに、追い討ちをかけるように夫や義家族との距離感問題。
それを抜け出すためには、日本を恋しがっているだけでなく日本を取り入れること。そこに子どもも巻き込むことで孤独をなくしていきました。
また、自分のやりたいことや将来に目を向けることで、生活を少しでも変えること。
少しでも、海外子育ての孤独から抜け出したいと思っている方の参考になれば嬉しいです。

